【図解】仮想通貨のスプレッドとは?初心者向けにわかりやすく解説
仮想通貨取引所を選ぶうえで、意外と見落としがちなのが「スプレッド」。
とくに初心者の場合、「聞いたことはあるけど実際よくわかってない…」という方もいるかもしれません。
この記事ではスプレッドの概要や、多くの投資家がスプレッドが気にする理由について解説します。
スプレッド(手数料相当額)とは?
スプレッド(spread)とは、もともと「広げる」「延ばす」といった意味を持つ英語です。
転じて、仮想通貨の場合は価格差を表す言葉として使われています。
販売所における「手数料」に相当
販売所において、スプレッドは「手数料」のような役割をはたしています。
販売所というのは、仮想通貨取引所を相手に仮想通貨を購入・売却する場所のことです。
販売所では、仮想通貨の銘柄ごとに「買値」と「売値」が決められています。
たとえば、ビットコインを買う場合はこの値段、売る場合はこの値段…というのを、仮想通貨取引所側でそれぞれ提示しているのです。
え、買う場合と売る場合で値段が違うってどういうこと…?
仮想通貨における買値と売値は、実際の価格をもとに決められます。
- 買値(購入価格)の場合は、実際の価格より高めに設定する
- 売値(売却価格)の場合は、実際の価格より安めに設定する
実際の価格より安く買い取り、高く売れるのですから、そのぶん仮想通貨取引所側が得することになります。
この「買値と売値の価格差」がスプレッドであり、仮想通貨取引所の利益になるわけです。
スプレッドの計算方法
スプレッドを求めたければ、単純に買値と売値の差分で算出できます。
ただし、これは「1通貨単位あたりのスプレッド」であって、実際に生じる価格差ではありません。
例えばビットコインだと、1BTCあたりの価格は数百万円にもなるので、少額の取引であれば差額はもう少し小さくなります。
そのため、実際の影響度合いを把握したい場合は、通貨の価格に対するスプレッドの割合を求める方法がオススメです。
ここでは、GMOコイン公式サイトにて提示されているビットコイン(BTC)チャートを例として算出してみましょう。
まずは、ビットコインにおける現在の価格を確認します。
こちらが、GMOコイン販売所の価格推移を示したチャートです。
グラフ右側の縦軸にて強調されている部分が、現在のビットコインの価格となっています。
今回の場合、1BTC当たりの価格は「2,824,158円」となります。
次に、買値と売値の価格差を算出します。
- 買値(購入価格)…2,969,287円
- 売値(売却価格)…2,824,443円
上記の通り、両者の間には差があることがお分かりいただけるかと思います。
買値と売値の差額は「144,844円」であり、この値が実質のスプレッドとなります。
最後に、通貨の価格に対して、スプレッドがどの程度占めているかを求めます。
買値/売値の価格差 ÷ 通貨の価格 ≒ 約5.13%
- 通貨の価格…2,824,158円
- 買値と売値の価格差…144,844円
つまり、GMOコインでビットコインを売買する場合は、5%程度の価格差が生じることになります。
ただし、このスプレッド幅というのは常に一定な訳ではありません。
今日はA社の方が安かったけど、次の日はB社の方が安い…という場合も十分考えられるので、あくまで参考程度にとどめておくようにしましょう。
スプレッドが広すぎると儲からない理由
仮想通貨取引所を選ぶ際、儲けを重視してスプレッドを見る方は一定数います。
それは、スプレッドの幅が広いほど、取引時に損する額も増えてしまうためです。
でも、数%くらいなら大して変わらないんじゃないの?
仮想通貨の場合、この数%が後々大きく響いてくる可能性があります。
その理由の一つは、価格の変動幅が大きいことです。
上の図は、ビットコインの価格の推移を示したチャートです。
パッと目につく箇所として、2021年あたりで価格が急騰していることがお分かりいただけるかと思います。
たった半年の間ですが、その価格差はなんと約5.7倍にも及びます。
短期間で5倍以上って、かなり大きいですね…!
仮想通貨投資をする場合、将来的には数百万円単位の運用を考えている方も多いでしょう。
たとえば、手持ち資金を100万円とすると、そのうちの5%であれば「5万円」になります。
たった数%ですが、これが何倍にもなる可能性を考えると、意外と無視できない金額なのではないでしょうか。
これから仮想通貨取引所を選ぶ場合は、スプレッドもあわせて確認しておくことをオススメします。
まとめ
この記事ではスプレッドの概要や、多くの投資家がスプレッドが気にする理由について解説しました。
スプレッドについてまとめると、以下のようになります。
- スプレッドとは、販売所で提示される買値/売値の価格差のこと
- 販売所での「手数料」に相当し、差額分が仮想通貨取引所の利益となる
- 仮想通貨は短期間での値動きが大きく、数%でも大きな差となるため要注意
初心者の場合は見落としがちですが、長期的に投資する場合には非常に重要な要素です。
ぜひこの記事を参考に、自分に合った仮想通貨取引所を探すようにしてみてください。